ECD、植本一子さん、結婚おめでとうございます!!
お子さんが生まれるのは秋ごろですかね。
今回の記事はタイミングがよすぎて、自分でもびっくりだけどちょうど読み終わったこの本を。
ECD / いるべき場所 読了
ECDの文章は呼吸をするようなリズム感が面白い。
今作は小説というよりも自伝。もうちょっと言えば、自らの音楽的遍歴に基づいた自伝といえる。
彼の遍歴は、書籍としての前作
失点・イン・ザ・パーク
や、彼がイベントを行っていたスリッツについての
ライフ・アット・スリッツ
で、断片的には知っていたものの、今回通史的に読むことで、かなり面白い歴史をたどった人なんだなあと感慨深かった。
彼の活動において、初期のロッキンオンが重要な役割を果たしていたこと、演劇体験がラップへの傾倒に明らかにつながっていること、さんぴんキャンプの時点ですでにヒップホップへの執着はなくなっていたこと、そして、キミドリを通じてのオルタナティブへの回帰、オルタナティブからサウンドデモへの流れ、すべてが側面側面を見ると、無秩序なのに、本を読むとかなりはっきりとつながっていた。
で、すごく面白いと思ったのはYMOについて、ほとんど通過していなさそうなこと。あの時代にサブカルど真ん中にいても、YMOを通過しないでよかったんですね。むしろ、近田春夫なんですね。その割りにplanet rockに衝撃を受けているのは面白かった。
でもって、実はこの辺をもうちょっと詳しく知りたかったなあということも2つほどあって、ひとつは石田義則という名前からECDと名乗った経緯。もう1つは、doc holidayこと須永辰緒とのユニットについて、もう少し詳しく知りたかった。ただ、doc holidayについては、そのうち、辰緒さんの方が書きそうな気がするから、まあいいかな。
そういや、この本、最後に新しい彼女ができて云々なんて文が書かれてます。これが植本さんなわけですね。
個人的にはそろそろ、ECDによる普通の小説も読んでみたいかなという気もします。
ともあれ、ライフアットスリッツを読んだら、ぜひともこっちも読んでもらいたいところです。