で、この企画を考えるにあたり、最初に思いついたのがこの曲。 stetsasonicの圧倒的名曲talkin' all that jazzのdimitri from parisによるさらに奇跡を巻き起こした恐るべきリミックス。 僕は、この曲が「ヒップホップのハウスリミックス」としての最高傑作に間違いないと信じている。 lonnie liston smithのexpansionsのフレーズをそのまま丸ごと使いつつ、やや遅めの4つ打ちのグルーヴで、ぐいぐいと展開していく、奇跡のヒップハウス。 dimitri from parisのサウンドプロダクションの特徴である、オーガニックでありながら、ハウスグルーヴにあふれたバックトラックに、スムースに入ってくるラップ、まさにタイトルどおりにいや、原曲以上にtalkin' all that jazzなトラック。 このリミックスは10分にもおよぶロングトラックなんだけど、この長さのすべてに意味があって、これは絶対にロングミックスの中で聞くべきだし、そして、どこからでも使えるという脅威の曲でもある。 この曲の真価は、大音量で聞いたときに発揮される巨大なスピーカーから流れる極太なベースライン、これだけでその一夜の成功は保障される。それくらい完璧なトラック。 僕がこの曲をフロアで聞いた中で特に印象に残ってるのは、greens keepersが来日したときに、シカゴハウスの流れの中で、かけてたとき。ほぼ、フルトラックかけてたと思うんだけど、楽しすぎて、ああ、まだ聞きたりねーって思わされたのを今でも覚えている。 そして、恐るべきはこれがドラムもベースもキーボードも、すべて(expansionsのフレーズもあくまでサンプリングじゃなくて、弾き直し!)が、生音で再構築されたトラックであるということ。つまりはhip hop bandであるstetsasonicに対する徹底的なリスペクトなのだ。 ちなみに言えば途中入る「stop! check out, my man」というフレーズは、ブギーバックでアニが引用している。っつうか、決めぜりふのように入るtalkin' all that jazzにしびれないのは人として、間違ってるって言い切りたいくらい、かっこいい。
STETSASONIC / TALKIN' ALL THAT JAZZ (DIM’S RESPECT FOR THE OLD SCHOOL)